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アメリカの中毒性飲み物と僕について

アメリカに来るまでは、コーラなんてほとんど飲まなかった。まぁたまには飲んでいたけれど、ウーロン茶を飲んでいる時の方が、コーラを飲んでいる時よりもさわやかだった。僕は飯喰う時は「おーいお茶」スポーツの後は「アクエリアス・レモン」って決めていたものだ。でもでもどうして?アメリカに来てからの僕は違う。もう、コーラがないと何も始まらないのだ。

例えば朝起きて、一番始めに飲む液体がコーラだったりする。「おいほんまかい?」って言われるかもしれないけれど、体が実にスムーズにそれを受け入れてしまうのだ。まぁ朝に飲むってのは、オレンジジュースと牛乳を切らしている時に、仕方なく代わりにって感じだったけれど、実際悪くなかったのだ。中華料理にはコカコーラが一番合うのではないかなって思ったりもしている。シュチュアンビーフや、クン・パオ・チキンと一緒に飲むコークは、まるで中国四千年の歴史の中で生み出された飲み物かと思ってしまう。勿論ハンバーガーとフレンチフライには Lサイズのコークが欠かせない。

コーラと言っても色々ブランドがあるものだ。トップを走るのはやはりコカコーラ。それと長年のライバルであるペプシコーラ。僕はアメリカ来てすぐの頃は、珍しがってペプシを飲んでいたけれども、最近はコークを愛している。この二つの違いは歴然。ペプシは若い層にターゲットを絞っているので、味がコークよりかなり甘いのだ。二大ブランド以外では、日本でも昔たけしがコマーシャルで宣伝していた、ジョルトコーラなんかが有名どころだ。これはカフェインがコークやペプシの2倍入っている。ここ数年の傾向として、各お店のプライベートブランドのコーラが、安いので人気を集めている。どこのスーパーやドラッグストアにもオリジナルコーラがあるっていうのが面白い。健康食料品店にもオリジナルコーラがあるってのが、さすがはアメリカって所だ。他に注目すべきは、最近アメリカコーラ市場に殴り込みをかけている、バージングループのバージンコーラ。ミュージックストア、映画館、飛行機会社、鉄道の次はコーラって訳だ。

さらに各会社が、ダイエットコーラや、カフェインフリーコーラなんてものを出しているから、もう、本当に無数の種類のコーラが市場には出回っている。最近ペプシが Pepsi One とかいう、カロリー1グラムのコーラを出したけれど、カロリー0のダイエットペプシとの違いがよくわからない。カロリー1グラムを気にするほどアメリカ人は繊細じゃあなかろうに

どれが一番美味しいのかっていうのは、誰もが持つ疑問だろう。僕もこれに関しては、かなりの間悩み続けていたけれど、結局は個人の好みってしか言えないと思う。一度「どれがうまいか見極めちゃうぞぉ!!」って勢いで、5種類くらい買って飲み比べた事があったけれど、最後には舌が麻痺してしまって訳が分からなくなってしまった。

まぁこんなふうに、コーラに関しては結構気を使ってしまう僕なんだけれど、そんな自分がたまに嫌になってしまう。冷静に考えたら、「おいそりゃ体に悪いよ」とか思って思いとどまれるだろうに、気がついたら、一日一缶近くの割合で飲んでいたりする(これでも一年前よりかなり減った)。「ま、アメリカに居るんだからそれは仕方がないよ雄一郎君」と言ってくれる人、どうも有難う。その優しさが僕を救ってくれます。でもでもでも・・・告白してしまいます。僕はもう、アメリカ人以下になってしまっているという事を。何かというと、僕はアメリカ人でも嫌う人がいるほど奇妙な味の、Dr. Pepper と、Root Beer の愛飲者なのです!!!(お父さんお母さんごめんなさい!)

一体それらがどういう飲み物かを一言で説明すると、「どきついフレーバー付きの炭酸飲料」って事になる。別にドラッグじゃないし、酒でもない。ただその常識離れした味は、マリファナよりも僕を興奮させ(試した事ないけど)、テキーラショットより僕を酔わせてくれるのだ。まぁそこまで言うのはちょっと大袈裟だったけれど、それらに中毒性がある事は間違いない。留学を前にしている方々、どうぞ気をつけて下さい。それからこの文章を読んだ皆さん、どうか僕を見捨てないで下さい。

  

2/17/99

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